どうも棚橋です。
皆さんがよく食べている食べ物、遺伝子組み換えですか？
よく納豆などで「大豆（遺伝子組み換えではない）」と書いてあると思うのですが、実は普段食べているお肉などで間接的に遺伝子組み換え(GM)食品を食べていることがあるみたいなんですよ。アメリカの牛のほとんどがGMのエサを食べているらしいです。
今日はそんな遺伝子組み換え食品についての記事を紹介したいと思います。
どう向き合う GM食品
納豆、マーガリンなどの表示を見ると「遺伝子組み換えでない」といった言葉が目に入る。だが実際は、私たちのほとんどは遺伝子組み換え（GM）作物を原料にした食品を日々口にしている。環太平洋連携協定（TPP）でこの表示も議論されるなか、専門家に聞いてみた。
「おそらく全ての日本人は毎日のようにGM食品を食べているのに、『自分は食べていない』という人が多い。そこに違和感を覚えます」というのは大阪府立大の小泉望教授（応用生命科学）だ。
有数の輸入大国
日本は世界でも有数のGM輸入大国。この背景には、日本の低い食料自給率がある。例えば、家畜の飼料やスターチなどに使われるトウモロコシ、植物油にも使われる大豆などの大部分を米国やカナダなどから輸入している。農林水産省によれば、これらの国で作られるトウモロコシや大豆の約９０％がGMだ。
正確な統計はないが「輸入農作物の約半分がGMと推定される。米国産牛肉の多くもGMの飼料を食べていることを考えれば、比率はもっと大きい。日本の食はGM抜きには成り立たない」と小泉教授。「依存しているのに見えないフリではなく、向き合うべきだ」
なぜ無意識のうちに食べているのか。それは日本の食品表示のあり方にも関わる。
「でない」表示
現在日本で流通している大豆、トウモロコシ、ナタネなど８品目のGM作物と、その加工食品３３種類が「遺伝子組み換え」「遺伝子組み換え不分別」という表示義務が課せられている。「つまり、それ以外には表示義務がないのです」と指摘するのは鈴木宜弘東京大教授（農業経済学）。
コーン油やカップ麺、クッキー、ドレッシング、マーガリンなどに含まれる植物油脂、菓子や清涼飲料の糖類、添加物などにはGM使用の表示は義務付けられない。また、GM作物が主な原材料でない場合も表示義務はない。
だから「遺伝子組み換えでない」大豆を使用した油揚げを買っても、油もGMでないかは分からない。また牛肉や豚肉がGM飼料で育てられたかどうかも明示されない。
TPP交渉でもこの表示が議論されている。米側は「遺伝子組み換えでない」という現行表示も不当な差別になるとして取りやめるよう主張する。「だが表示がなくなれば、消費者が選ぶ余地がなくなってしまう」
現在、日本ではGM作物は商業栽培されていない。「きちんとした表示があれば、少し価格が高くても納得する人もいるだろう」と鈴木教授は話している。
広がるフリーゾーン
生産者らが運動宣言
「（GM作物を）育てない、取り扱わない、食べない」と宣言する「フリーゾーン」運動が、全国で広がっている。現在登録されているのは、「遺伝子組み換え食品いらない！キャンペーン」によれば４７都道府県の計８万４５００ヘクタール余り。今年３月、全国交流会も開かれた那須塩原市を訪ねた。
牛舎で、発酵させた国産の飼料稲を静かにはむ子牛がいた。ホルスタイン種や交雑種を肥育する磯牧場では６年ほど前から、こうした飼料とGMでない配合飼料を使っている。「GMは消費者の健康への長期的な影響など分かっていない。安心して食べてもらいたいから」と代表の磯進さん。孫の平久江利実さんは「命の食べ方とか、牛の健康への影響も考えました」と話す。
県内では生活クラブ生協と提携する「栃木県開拓農業協同組合」の生産者などがフリーゾーン宣言をした。開拓農協の神山雅如さんは「後になって（GMが）失敗だったと分かっても取り返しがつかない。安全性への疑問と、農薬と種子を販売する巨大企業に食料を握られてしまっていいのかという二つの問題があるのではないか」と指摘する。その上で「GMでない食べ物を作ってもらうには、それを食べてくれる人がいなくては成り立たない」。
同市の稲作農家でレンコンやキュウリ、ニンニクも作る横田義弘さんも宣言に加わった一人。「食べ物は（効率性を追求する）工業製品ではない。土地づくりや環境への配慮、全部が絡み合ってはじめて一つの作物ができる。金を出せば育つというものではないという意味で、食べ物を大切に考えてほしいですね」と話していた。
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掲載元：下野新聞
